道端のキオスクで男が働いていた。軒先からは小さな袋が沢山ぶら下がっていて、まるで簾のようになっている。奥の棚には煙草が陳列されているのが見えて、カウンターの上には大きな電話機が置かれていた。
何の変哲のないキオスクだ。唯一目を惹くのは、日本でもあまり見掛けなくなった大きな電話機だろうか。日本でも煙草屋の店頭には公衆電話が置いてあったような気がする。フラッと煙草を買いに出かけた際に、ちょっと電話するというのがかつては一般的なことだったのかもしれない。男から煙草を一箱買い終えると、店先にいるのは僕だけになった。やることの無くなった店主は、静かに帳面を付け始めた。
No
9404
撮影年月
2010年9月
投稿日
2015年08月05日
撮影場所
アウランガバード / インド
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
CANON EOS 1V
レンズ
EF85MM F1.2L II USM