台南にある南勢街西羅殿の境内に設けられたステージでの祭祀演劇が幕を閉じ、俳優たちが舞台脇でくつろいでいた。演じ終えたばかりの彼らは、まだ衣装もメイクもそのままの姿だった。彼らの間には、緊張感がほぐれた後の、どこか心地よい空気が漂っていた。
どの演者も顔を覆う仮面のようなメイクを施していた。写真の男は王冠のような帽子をかぶり、緑を基調とした模様で顔が埋め尽くされていた。その模様と派手な装飾の組み合わせは、色使いこそ違えど、どこか歌舞伎の隈取を連想させるものがあった。
しかし、僕の視線を最も引きつけたのは、彼の真っ赤な太い眉毛だった。付け睫毛ならぬ付け眉毛だ。眉毛がこれほど太いと、顔を動かすたびにどこかにぶつかりそうな危うさすら感じられる。それでも、眉毛の存在感が彼の全体の雰囲気をより際立たせていた。
2017年5月 人びと 台湾 | |
俳優 眉毛 顔 メーキャップ 男性 台南 |
No
10126
撮影年月
2016年9月
投稿日
2017年05月01日
更新日
2024年12月10日
撮影場所
台南 / 台湾
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA