道端にチェック柄のシャツを着た男が腰を下ろしていた。白髪交じりの無精髭を生やしたその男はどっしりと構えている。周囲にいる労働者たちとは一線を画していて、働く素振りは全くなかった。それどころかちょっと近寄り難い雰囲気を放っている。ひょっとしたら、現場監督か何かでちょっと偉い人なのかもしれない。
そんな男にカメラを向けようと目の前に立つ。突然現れた異邦人に男はギョロッとした視線を返してきた。僕は特に用がある訳でもなく、男も同じく僕に用がある訳でもない。それでも暫くの間、見つめ合っていた。そして、僕はおもむろに一眼レフを構えたのだった。でも、男には動じるような雰囲気はない。あいも変わらず一言も発することなくギョロッとした目を僕に向け続けるだけだった。
No
9526
撮影年月
2011年6月
投稿日
2015年10月13日
撮影場所
コルカタ / インド
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
CANON EOS 1V
レンズ
EF85MM F1.2L II USM