頭髪も髭も胸毛も白髪交じりだった男は煙草屋だった。コルカタの町角にあった小さなお店が男の職場だ。膝の上には木製のお椀が見える。中には煙草の葉の屑がこんもり入っていた。この屑は丸められて、フィルター無しのお手製の煙草として売られるものだ。
男の店ではお手製の煙草だけでなく、もちろんメーカー品の煙草も沢山売られていた。背後に目を向けると有名ブランドの煙草の箱が積まれているのが見える。それらと共に男はお手製の煙草も売っているのだ。お手製の煙草と有名ブランドの煙草は全然値段が違う。買い求めにやってくる客層が違うのだ。
近づいていくと、男は怪訝な視線を僕に投げてきた。それに怯むこと無く僕はカメラを向けた。男は一言も発することなく、黙々と煙草を丸め続けていた。
2012年9月 インド 人びと | |
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No
6831
撮影年月
2011年7月
投稿日
2012年09月23日
更新日
2024年07月01日
撮影場所
コルカタ / インド
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
OLYMPUS PEN E-P2
レンズ
M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42MM