オークポースー駅の近くにある集落の中を歩いていた。ここは観光地でも何でもない。歩いている外国人は僕だけだ。つまり僕はここで異物なのだけれど、地元の人は見かけても特に排除しようとする訳でもない。ただ遠巻きに見ているだけだった。滅多にないことだからどう対処していいのか分からないだけかもしれないけれど。それに、長閑な集落で行き合う人はほとんどいなかった。
写真の男の子は、数少ない出会った地元の人だ。ひとりで小径で遊んでいた男の子は、僕を見つけるといそいそと僕の前にやって来る。そして、僕の前で胸を張ったのだった。細い棒を手にしたまま、居丈高に僕を見つめる様子は自身に満ちていて何かの教官のように見える。眺めていると、なぜだかはよく分からないけれど、フルメタル・ジャケットに出てくるハートマン軍曹を思い起こしてしまった。もっとも、姿形が似ているわけではない。細い棒を横にして持つ姿が叱責する教官を連想させただけかもしれない。
2019年5月 ミャンマー 人びと | |
男の子 棒 タニン |
No
11033
撮影年月
2018年9月
投稿日
2019年05月31日
更新日
2020年01月16日
撮影場所
タニン / ミャンマー
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA