インドは世界有数の砂糖生産国であり、サトウキビの生産量ではブラジルに次いで世界第2位というのは、意外に感じる一方で納得もいく。ムンバイを歩いていると、チャイスタンドと並んで、サトウキビジュースのスタンドを頻繁に見かけるのもその証拠だ。
そもそも、砂糖の製造は古代インド北部に始まるとされている。サトウキビの皮を剥き、茎を噛んで甘い汁を楽しむだけでは満足せず、インド人はその汁を土鍋で煮詰めて固める技術を生み出したという。紀元前4世紀には、アレキサンダー大王がアジア遠征でインドまで来たときに「蜂の助けを借りずに葦から採れる蜜」や「噛むと甘い葦・噛むと甘い石」について記した記録も残っている。古代からサトウキビの存在がインドの人々にとって重要だったことが伺える。
道端で飲む甘いチャイや、砂糖たっぷりのお菓子など、インド人が筋金入りの甘党であるのも、この歴史的背景を知ると納得できる。甘さへのこだわりは、単なる嗜好ではなく、長い歴史を経て培われた文化そのものなのだ。
2025年1月 町角 インド | |
ムンバイ スタンド サトウキビ |
No
12762
撮影年月
2024年5月
投稿日
2025年01月13日
撮影場所
ムンバイ / インド
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF