大勢が行き交うムンバイの問屋街で、頭上に荷物を載せて運ぶのは男性ばかりだった。その光景を見ていると、荷物の重さや運搬の大変さが感じられる仕事だけに、女性がいないのは自然なことなのかもしれない。でも、頭上に荷物を載せて運ぶという行動自体は、女性にも馴染みのあるものだ。
実際、通りかかった交差点では頭に荷物を載せた女性が軽快な足取りで横断していく姿を目にした。この運搬方法は、むしろ女性が行うことのほうが多い印象すらある。調べてみると、ウィキペディアの「頭上運搬」という項目にも、「女性によって行われる傾向がある」と記載されている。また習慣は、インドやアフリカのように現在も日常的に行われている地域がある一方で、かつては日本やヨーロッパでも一般的だったという。
日本では中世の絵巻物に頭上運搬の様子が描かれているし、ヨーロッパでも中世には女性が重い荷物を運ぶ手段として用いていたそうだ。さらに、英語版のウィキペディアには、1905年にニューヨークで撮影されたスロバキア移民の女性が頭上に大きな袋を載せた写真が掲載されている。意外と近代まで、東ヨーロッパではその習慣が続いていたのかもしれない。
2025年1月 町角 インド | |
ムンバイ 頭上 女性 |
No
12763
撮影年月
2024年5月
投稿日
2025年01月14日
撮影場所
ムンバイ / インド
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF