米屋での出来事にちょっと不愉快になりながらも、同じ自転車タクシーで移動を続けていた。自転車タクシーの車夫は何事もなかったかのようにペダルを漕いでいて、僕も何事もなかったかのように座席に腰を下ろしていた。そのうち、自転車タクシーは小さな橋に差し掛かった。橋の下を流れる川の様子を眺めたいと思った僕は、車夫に停めてくれと伝えた。
自転車タクシーから降り立つと、ふたりの男の子が近づいてくる。橋の上で遊んでいたら、カメラを持った外国人旅行者の姿を見つけたのだろう。カメラに興味を持ったらしく、ふたりは僕に話しかけてきた。髪型をシャープに整えて、いかにも今どきの子といった雰囲気だ。でも、ビルマ語で話しかけてきているので何を言っているのかは全くわからない。僕が理解できたのは、ふたりが写真を撮ってもらいたいと思っていることだけだった。
そう思い、ふたりにレンズを向ける。するとファインダーに見えたのは対象的なふたりの表情だった。手前の男の子の顔は、なんだかふたりが写真を撮ってもらいたくて近づいてきたのだという僕の理解が間違っていたのかもしれないと不安になってしまうような訝しい顔だった。
2018年12月 ミャンマー 人びと | |
男の子 チェック柄のシャツ ダラ 二人組 笑顔 疑念 |
No
10843
撮影年月
2018年9月
投稿日
2018年12月26日
更新日
2024年01月24日
撮影場所
ダラ / ミャンマー
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA