ジャカルタの住宅街を歩いていた。子どもたちが道端で遊んでいた。地べたに寝転んだ男の子の周りを大勢の男の子が取り囲んで騒いでいた。何をしているのだろう。よく分からない。でも男の子の間では何かしらの確固としたストーリーが展開されているに違いない。言ってみれば、男の子たちはここではないどこか、パラレルワールドを楽しんでいるのだ。その非現実性をはっきりと示すかのように、向こうでひとり離れて腰を下ろしていた男の子が黙々と太鼓を叩いていた。太鼓の音が響いている間、ここではパラレルワールドの時間が進んでいる。
路地には太鼓の音が響き渡り、男の子たちは儀式を行うかのように遊んでいる。でも、その厳粛なゲームは僕の持っていたカメラのせいでちょっと壊れそうになってしまった。数人の男の子が儀式をそっちのけでカメラに興味を示し始めたのだ。その場がパラレルワールドから一気に日常に戻って来そうになっても、太鼓を叩いていた男の子は表情を変えることなく淡々と太鼓を叩き続けていた。
2020年7月 インドネシア 人びと | |
男の子 帽子 太鼓 ジャカルタ ピースサイン 遊び |
No
11588
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年07月02日
更新日
2023年09月03日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF