100年前には日本人クラブも存在して、詩人の金子光晴も滞在したバトゥ・パハの町を歩いていた。何も知らなければ、かつて多くの日本人がここで暮らしていたとはわからないだろう。歩いているだけで分かるような残滓は何も残っていない。
アーケードのようになっている歩道の段差の下に猫がいた。ちょっと首を伸ばしながら歩道を往く人の様子を窺っていた。のどかな町の一角で危険が待ち構えているとは思えない。とても用心深い猫のようだ。
猫の様子を見ていると、人間が歩いている限り歩道には足を踏み入れないと決めているかのようだった。人の姿が見えると、伸ばした首をすっと縮めている。でも、その割にはすぐ後ろに立つ僕には注意を払っていない。僕に気が付いていないだけなのかもしれないけれど、少し脇が甘い気がした。
2009年4月 動物 マレーシア | |
バトゥ・パハ 猫 歩道 用心深さ |
No
2730
撮影年月
2009年1月
投稿日
2009年04月29日
更新日
2024年07月01日
撮影場所
バトゥ・パハ / マレーシア
ジャンル
動物写真
カメラ
CANON EOS 1V
レンズ
EF85MM F1.2L II USM