市場の中には活気とは対照的なのどかな雰囲気が漂っていた。活気ある市場の賑わいを想像して足を運んだ僕には、少し拍子抜けするような静けさだった。それでも、喧騒に紛れることなく、自分のペースでのんびりと市場を歩き回れるのは悪くない。人混みに押されることなく、自分の目で気になるものをじっくり観察できた。
写真の中の男もまた、その静かな空気の中に溶け込むようにして椅子に腰掛けていた。特に何をするでもなく、ぼんやりと往来を眺めている。市場の入口近くに置かれた椅子に身を委ねるようにして座り、ゆっくりと流れる時間を過ごしていた。
もっとも、男の視線の先に何か特別なものがあるわけではない。のんびりとした空気の中、目で追うものも特になく、ただ市場の静けさに身を任せているようだった。その姿を眺めていると、僕もこの静かな市場を歩くという選択が、結果として悪くなかったのだと感じさせられた。
2025年2月 町角 インド | |
自転車 市場 ムンバイ |
No
12784
撮影年月
2024年5月
投稿日
2025年02月01日
撮影場所
ムンバイ / インド
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF