うだるような暑さの中、インド・プネーの町を歩いていた。当てもなく歩いていると、やたらと路上で物を売っている連中に出くわす。その代わり、この埃っぽい道端にはドリンクの自動販売機などという気の利いたものは存在しない。冷たい飲み物で喉を潤したいという切実な需要が転がっているはずなのに、それを満たしてくれるものはあまりない。
そうした需要を狙う路上商人の中に、写真の無精髭を生やした青年もいた。彼はバス停近くの歩道に陣取っていた。オレンジ色の容器に氷水を張り、冷たい飲み物を売っている。氷水に浸かった飲み物は、容赦なく照りつける陽射しの中で見ると、ひどく美味そうに見える。バスを待つ退屈な時間と猛烈な暑さを考えれば、バス停の横というのは商売にとってうってつけの場所である。彼もなかなかちゃっかりしているのだ。カメラを向けると、少しばかり隙のある愛想笑いを浮かべてみせた。
そのちゃっかりした青年の額を見ると、赤い縦長の印がくっきりと描かれている。額につける丸いビンディは、町を歩けばよく見かける。歩いていると、僕のも付けてくれる人さえいる。しかし、こうしたティラカと呼ばれる縦の印をつけている人は、実はそれほど頻繁には見かけない。ティラカは主に男性が儀式や祈りの際につけるものらしいから、彼も祈りを済ませてから、この特等席で働いているのかもしれない。
| 2011年5月 インド 人びと | |
| 飲み物 プネー 露天商 ティラカ 青年 |
No
5441
撮影年月
2010年10月
投稿日
2011年05月08日
更新日
2026年03月15日
撮影場所
プネー / インド
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
RICOH GR DIGITAL