鶏肉エリアを後にして、隣の建物に入ると、そこは鮮魚売場だった。市場の野菜エリアや精肉エリアとは異なり、ここには魚や海老、その他の魚介類が並んでいる。ムンバイはもともと7つの島から成り、干拓によって形成された都市であり、その歴史的背景からも魚介類が日常的な食材であることが容易に想像できる。海に囲まれている地理的条件や、現在も市内に漁村が存在していることも、この豊富な魚介類の供給に寄与しているのだろう。
鮮魚売場は野菜エリアと同じくらい広く、活気がある。ただし、興味深いのは、ここで働いているのはほとんどが女性であるということだ。野菜エリアや精肉エリアでは男性が目立っていたのに、鮮魚売場ではその姿がほとんど見られない。魚を売るのは女性というジェンダーロールが、この地域にはあるのだろうか。
市場での役割分担には、歴史や文化、そして実際の労働内容が関係しているのかもしれない。魚を扱う仕事が女性の手に委ねられているのは、魚の選別や販売が「女性らしい」と見なされてきた歴史的な背景があるのかもしれないし、あるいは、漁村の生活の中で女性たちが漁の後の処理や販売を担うことが一般的だった名残なのかもしれない。いずれにしても、働く女性たちの手際の良さが市場全体の活気を支えているように感じられた。
2025年2月 インド 人びと | |
ビンディ 眼鏡 ムンバイ 老婆 ピアス サリー |
No
12786
撮影年月
2024年5月
投稿日
2025年02月02日
撮影場所
ムンバイ / インド
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF