問屋街では、商品を運び込むトラックがひっきりなしに行き来していた。そのたびに荷物を下ろしたり、店舗や倉庫へと運び込む男たちが忙しそうに動き回っている。道端では、仕事を待つ人足たちがたむろしている姿も目についた。彼らがどのような契約形態で仕事をしているのかは分からない。特定の店舗や運送会社と契約しているのか、それとも声を掛けられたらどのトラックでも仕事を請け負うのか。その様子は、外から見ているだけではつかみきれない。
興味深かったのは、たむろしている男たちの中には、荷物を運ぶ人足ではない人も混じっているように見えたことだ。写真の立派な白髪を持つ男は、荷が運ばれても立ち上がる気配はなく、ペンチを手に腰を下ろしたままだった。一見すると、荷物運びの作業とは無関係に見える。
こうした人々を眺めていると、大勢の人が集まる場所には、それに付随して様々な役割が生まれているのだと気付かされる。僕には想像もつかないような仕事や役割が、この問屋街の中で当たり前のように存在しているのだろう。それぞれが担う役割の一つひとつが、この賑やかな街の流れを支えているのかもしれない。
2024年12月 インド 人びと | |
胸毛 白髪 ムンバイ 無精髭 |
No
12749
撮影年月
2024年5月
投稿日
2024年12月31日
撮影場所
ムンバイ / インド
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF