太陽がどんどん低くなっていた。それでもバンコクはまだまだ暑い。歩いている通りにも日中に嫌というほど降り注いだ日差しの気怠さが残っていた。そのような中、家の前でのんびりと過ごしている地元の人の姿がチラホラと見える。夕食までのちょっとした時間を外で過ごして涼を取っているようだ。
写真の恰幅のいいお母さんも玄関先で寛いでいた。膝の上には赤ん坊を載せている。二人の体型はとても似通っていた。赤ちゃんもお母さんと同じようにコロコロとしている。一説によると、食生活は母系で遺伝するらしい。一般的には母親が食事の用意をする国が多いだろうから、自然とそうなるのだろう。二人の姿を見ていると、その証拠を今まさに見ているような気がしてしまう。
二人の前に立ち止まると、赤ちゃんは真っ直ぐに僕を見据えた。その一方で、お母さんの方はどこか遠くを見詰めたままだった。お母さんは黄昏のまどろみの中にどっぷりと浸かっているようだった。
2018年3月 人びと タイ | |
赤ちゃん バンコク 親子 |
No
10486
撮影年月
2017年9月
投稿日
2018年03月19日
更新日
2024年03月07日
撮影場所
バンコク / タイ
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA