大量の集魚灯を載せた烏賊釣漁船が束草の港に戻ってきた

束草の港に戻ってきた烏賊釣漁船
イカ釣り漁船

韓国の東海岸に位置する束草(ソクチョ)の街をウロウロと歩いていた。ここは現在の休戦ラインよりも南にありながら、かつての北緯38度線よりも北に位置する風変わりな街だ。つまり、朝鮮戦争が勃発する前は北朝鮮の領土だったという歴史を持っている。そのためか、街の片隅にはどこか独特の寂れた雰囲気が漂っているような気がするが、単に僕の気のせいかもしれない。そんな歴史の因縁などどこ吹く風といった様子で、カモメがのんびりと空を舞うのどかな漁港へと足を向けた。

そののどかな漁港の岸壁に突っ立っていると、ちょうど一隻の大きな船が白い波を立てて帰ってきた。船体に見事なほどたくさんの電球をぶら下げた、イカ釣り漁船である。イカという生き物は光に集まる習性があるため、夜間にこの大量の集魚灯を点灯させて海面を照らし、おびき寄せるのだ。かつては松明(たいまつ)の火を使ってイカをおびき寄せていたらしいが、現代の船にはこれでもかと電球が並んでおり、夜の海で見ればさぞかし眩しいことだろう。しかし、昼間の太陽の下では、それらの電球はただの透明なガラス玉のように力なくぶら下がっているだけで、なんだか少しばかり間抜けな佇まいである。

そのなんだか少しばかり間抜けな佇まいを見せる電球の並びは、日本のイカ釣り漁船のそれと全く同じ仕組みだった。国境や政治の都合で人間同士がいがみ合っていようとも、海の中にいるイカを効率よく騙して捕まえるという目的の前には、国が違えど全く同じ知恵の形に行き着くらしい。イカの側からすれば、日本の光だろうが韓国の光だろうが、騙されて釣り上げられることに違いはないのだからいい迷惑である。

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ENGLISH
2008年10月 韓国 乗り物
漁船 束草 烏賊

PHOTO DATA

No

2108

撮影年月

2008年6月

投稿日

2008年10月15日

更新日

2026年06月10日

撮影場所

束草 / 韓国

ジャンル

ストリート・フォトグラフィー

カメラ

CANON EOS 1V

レンズ

EF85MM F1.2L II USM

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