インド東部の町、ベルハンポルを歩いていると、上半身裸の二人の男の子がこちらに向かって駆けてきた。背中には色あせたリュックサック。どうやら学校帰りらしい。見知らぬ外国人など珍しいのか、二人とも好奇心を隠そうともせず、笑いながら僕の前に立ちはだかった。
この日のベルハンポルは、まるで太陽が地上に落ちたかのような暑さだった。舗装された道が陽炎のように揺れている。子どもたちにとってもさすがに暑いらしく、上半身はすっかり解放状態で、地肌に直接リュックを背負っていた。あの布地の下は、汗と埃でかなりの香りを放っているに違いない。僕がそんな不粋な想像をしていることなど、当然ふたりは気にも留めない。
「撮っていい?」とジェスチャーで伝えると、二人はにやりと笑い、肩を寄せ合ってポーズを取った。カメラを向けると、ぐいと身を乗り出してレンズを覗き込む。どうやら撮られるより、カメラの中を覗くことの方が面白いらしい。無邪気というより、どこかしたたかだ。
| 2012年3月 インド 人びと | |
| バックパック ベルハンポル 男の子 好奇心 二人組 顔 上半身裸 |
No
6233
撮影年月
2011年7月
投稿日
2012年03月08日
更新日
2025年12月08日
撮影場所
ベルハンポル / インド
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
OLYMPUS PEN E-P2
レンズ
M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42MM