神田祭りの神輿の行列の中を、大幣を掲げた男も歩いていた

地図を見るとすぐに思い出すけれど、神田明神が秋葉原から近いことをすぐに忘れてしまう。この日も忘れていた。この日は神田祭だった。コロナ禍になって以来中止になっていた神田祭りが4年ぶりに開催されるというので、お神輿を見ようとルートを確認したところ、ちょうどお神輿は秋葉原駅の近くに現れることが判明した。神社の最寄り駅である御茶ノ水あたりで見られるかと思っていた僕には意外に思える場所で、そうして再び神田明神が秋葉原から近いことを思い出した。

神田祭でお神輿が練り歩く町の範囲は秋葉原などの神社から近いエリアだけでなく、思いの外広い。ルートを眺めると遠くは人形町にも神輿は出没する。流石は江戸三大祭のひとつに数えられているお祭りだ。面白いのは神田神社の御祭神である平将門の首を祀る将門塚も神輿のルートに含まれていること。前を通り過ぎるだけでなく奉幣の儀も行われるという。伝承によると、首塚が荒れると将門の逆鱗にふれ、疫病が流行るというから、奉幣の儀も念入りに行われるに違いない。最近改修された将門塚はきれいに整備されていて、ここに大勢の人が集まって来て奉献すれば、かつて敵対した朝廷がすぐ近くに現存していても将門の心が乱されずに済むと信じたい。

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