ミャンマーのヤンゴンで撮影。
引き続きヤンゴン中央駅近くの路地を歩いていた。ここの雰囲気はホテルのある場所とは全く異なる。ヤンゴンの中心部には多くの会社やお店があって賑わっている。対照的に、ここにはお店の類いはほとんどない。あるのは地元の住民向けの雑貨屋のようなものだかけだ。まるで田舎町にやって来たかのような雰囲気が漂っている。僕はそれを楽しみながら歩いていた。
歩いていると路地の先に小さなお店があった。何人かが屋根の下に腰掛けているのが見える。おそらくは友人たちとお茶を飲みながら井戸端会議に花を咲かしているのだろう。お茶の発祥地とされる中国の雲南省のすぐ下に位置するミャンマーの人たちは古くからお茶に親しんでいる。ここでは日本と同じように緑茶が一般的な飲み物だ。
人影から横に視線をずらすと、お母さんと幼い息子は路地に立っていた。お母さんの腕はまっすぐに息子に向かって伸びている。指先にまで力が入っているところを見ると、お母さんは息子を叱っているところのようだ。人びとが生活している場所には、やはり叱責も町のところどころに転がっているのだ。