当て所なく旧市街の路地を彷徨っていると、辿り着いたのは鍵の掛かった扉の前だった。路地は行き止まりだった。扉には錠前がふたつも付いていて、そうそう簡単に開けられるような雰囲気ではない。そして、帽子を被った男が扉の前にしゃがんでいた。
誰か扉の鍵を持っている人が来るのをじっと待っているようだ。僕が現れると、男は期待を込めた眼差しで見つめてきたのだけれど、それは直ぐに失望に変わった。僕は通りすがりの旅行者だもの。男の顔には気の抜けたような笑みが浮かんでいた。
2014年12月 モロッコ 人びと | |
帽子 扉 鍵 男性 メクネス |
No
8932
撮影年月
2010年1月
投稿日
2014年12月03日
更新日
2023年10月03日
撮影場所
メクネス / モロッコ
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
CANON EOS 1V
レンズ
EF85MM F1.2L II USM