ネパールの古都、バクタプルの旧市街を歩いていた。見事なレンガ造りの建物が立ち並ぶ通りは、相変わらず地元の人々で適度に賑わっている。そんなごちゃごちゃとした道端に、ひとりの幼い男の子がぽつんと突っ立っていた。足元を見ると、靴もサンダルも履いておらず完全に裸足である。この街のゴツゴツとした石畳は素足で歩くには少々痛そうだが、彼にとってはこれが当たり前の日常なのだろう。男の子の小さな手には紙に包まれたスナック菓子のようなものが握られていて、もぐもぐと口を動かしながら、通りの先をじっと見つめていた。
その通りの先をじっと見つめている視線を追って、僕も同じ方向を眺めてみた。しかし、そこにはただの通行人が行き交うだけで、何がそれほどまでに彼の興味を惹きつけているのかはさっぱり分からなかった。ネパールでは牛はヒンドゥー教の神聖な生き物として扱われており、街のど真ん中で堂々と寝そべって交通渋滞を引き起こすことが多々ある。神様のお使いだからといって、誰も文句を言わずに道を譲るのだ。ひょっとすると、彼もその神聖な牛ののんびりとした歩みでも観察しているのかと視線の先を見渡しても何もいなかった。
僕は再び彼の方へ目を戻した。子どもという生き物は、大人には到底理解できないような些細なものに夢中になる厄介な習性がある。ただ道端に立って、裸足のままお菓子をかじり、何かを真剣に凝視している。その姿は見ている分には少しばかり愉快だった。
| 2009年12月 ネパール 人びと | |
| バクタプル 男の子 興味 裸足 |
No
3505
撮影年月
2009年6月
投稿日
2009年12月19日
更新日
2026年05月26日
撮影場所
バクタプル / ネパール
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
CANON EOS 1V
レンズ
EF85MM F1.2L II USM