ロンプールの道端で、ひとりの男が腰を下ろしていた。特に何かしているわけでもなく、ただ、ゆっくりとした時間の流れに身を委ねているように見えた。
顔に刻まれた皺は、歳月の重みを物語っている。白髪混じりの髭はきちんと整えられていて、無造作さのなかに几帳面さを感じさせた。バングラデシュでは髭を生やしている男たちは多いが、その手入れ具合には人それぞれの姿勢が表れる。この男は明らかに、丁寧に時間をかけて整えていた。
話しかけてはいない。でも、写真を撮らせてもらうときに交わした視線のなかに、どこか誇りのようなものを感じた。服は質素でも、髭は律儀に整える。それが、この男にとっての“身だしなみ”なのだろう。
2010年4月 バングラデシュ 人びと | |
髭 男性 ロンプール |
No
3994
撮影年月
2009年9月
投稿日
2010年04月24日
更新日
2025年06月19日
撮影場所
ロンプール / バングラデシュ
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
CANON EOS 1V
レンズ
EF85MM F1.2L II USM