青年が白い前歯を見せながら僕のカメラを眺めている。ちょっと恥ずかしがっているように見えるけれど、視線を逸らすこともなく、ずっとレンズを見続けてくれた。ひょっとしたら、レンズを向けられた時にどう振る舞えばいいのか思案中しているのかもしれない。
僕がシャッターを切っている間、ぴくりと動くことなくカメラを凝視している。まるで、蛇に睨まれたカエルのようだ。そう考えると、カメラを向けてしまって気の毒なことをしてしまったのかもしれない。青年の後ろに立っていた男は、そのような僕と青年の無言のコミュニケーションを楽しげに眺めていた。
2014年6月 バングラデシュ 人びと | |
視線 ロンプール 青年 |
No
8621
撮影年月
2009年9月
投稿日
2014年06月30日
更新日
2023年12月12日
撮影場所
ロンプール / バングラデシュ
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
CANON EOS 1V
レンズ
EF85MM F1.2L II USM