人びとが次から次へとサイクルリクシャーに乗り込んでいた

サイクルリクシャーに乗り込む人びと
サイクルリクシャーに乗り込む人びと

マイメンシンの町に足を踏み入れると、すぐに気づかされるのは道路の主役が自動車ではなくサイクルリクシャーであることだ。バングラデシュ全土で同じような光景に出会うが、ここでは特に顕著である。目抜き通りを埋め尽くすようにリクシャーが列をなし、まるで群れをなして飛ぶ蝗のように同じ方向へと進んでいく。機械仕掛けのモーターサイクルがその間を縫うように走ってはいるが、数の上では圧倒的に劣勢で、むしろリクシャーの流れに押され気味である。

大通りの脇にはさらに多くのサイクルリクシャーが停められていて、どうやらここが乗り場の一つになっているらしい。人々は順番に乗り込み、買い物袋を抱えた主婦や制服姿の学生までが、次々と小さな座席に収まっていく。強い日差しを避けるためか、幌を下ろしたリクシャーも多く、遠目にはまるで小さなキャラバンの隊列のようだ。だが乗客の顔は疲労に覆われ、楽しげな観光の乗り物というよりは、生活に欠かせない実用品であることが一目で分かる。

一方で、傍らに立っている二人の男は、群れに加わる気配もなく、ひたすら立ち話に興じていた。サイクルリクシャーの洪水を前にしても慌てる風もなく、ただ暑さの中で無駄話をすることが彼らにとっての午後の過ごし方なのだろう。まったく役に立たないようでいて、それこそが人間らしい営みなのかもしれない。道路の混雑も、彼らにとっては背景にすぎないのだ。。

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ENGLISH
2014年4月 バングラデシュ 乗り物
サイクルリクシャー 目抜き通り マイメンシン 立ち話

PHOTO DATA

No

8471

撮影年月

2009年9月

投稿日

2014年04月16日

更新日

2025年09月08日

撮影場所

マイメンシン / バングラデシュ

ジャンル

ストリート・フォトグラフィー

カメラ

CANON EOS 1V

レンズ

EF85MM F1.2L II USM

日本国外で撮影した写真

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