マイメンシンの街角を歩いていると、小さなタバコ屋の店先から視線を感じた。覗いてみると、そこには若い男がいた。彼は壁の隙間からこちらを伺い、僕がカメラを構えた途端にニッと笑った。その笑顔から覗く白い歯が印象的で、埃っぽいバングラデシュの町並みに、妙に鮮やかなコントラストを与えていた。もっとも、歯科事情を考えれば、あの白さは偶然の産物か、あるいは彼独自の努力の成果なのだろう。
タバコ屋といっても、日本のように自販機や整然とした棚はない。煙草は箱売りだけでなく一本単位でも売られていて、むしろ一箱まるごと買う客の方が少ないように見えた。ポケットに小銭を入れて一本だけ買う、そんな習慣はこの国の日常にぴったり馴染んでいる。経済事情も影響しているのだろうが、煙草一本が立派に独立した商品として成立しているのは面白い。
2010年4月 バングラデシュ 人びと | |
男性 マイメンシン 出店 歯 |
No
3938
撮影年月
2009年9月
投稿日
2010年04月11日
更新日
2025年09月11日
撮影場所
マイメンシン / バングラデシュ
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
CANON EOS 1V
レンズ
EF85MM F1.2L II USM