インド東部のマルダという町を歩いていると、色あせた壁の前に三人の子どもが並んで立っていた。二人の男の子は屈託のない笑顔を浮かべ、こちらのカメラに向かって堂々とした様子を見せる。だが、その隣に立つ臆病な女の子は、視線を強張らせながら、片方の男の子の袖に小さくすがりついていた。彼女の緊張気味の顔と、無邪気に肩を組む男の子たちとの対比が、場末の壁を背景にした即席の肖像画のようで妙に印象に残る。
マルダは古くから織物やマンゴーの産地として知られ、ベンガル地方の歴史と共に歩んできた町である。路地を歩けば、カメラに気づいた子どもたちが「撮ってくれ」とばかりに群がってくることも少なくない。もっとも、全員が同じ調子というわけではなく、この写真に写った臆病な女の子のように、外国人のカメラに戸惑いを見せる子もいる。それは決して珍しいことではなく、むしろ子どもらしい自然な反応だろう。何はともあれ二人の男の子と一人の女の子は並んで写真を撮らせてくれた。
2012年4月 インド 人びと | |
男の子 女の子 マルダ ピアス 笑顔 三人組 白い歯 |
No
6368
撮影年月
2011年7月
投稿日
2012年04月22日
更新日
2025年09月21日
撮影場所
マルダ / インド
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
OLYMPUS PEN E-P2
レンズ
M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42MM