赤嵌楼の中に入って歩き回っていた。この要塞といって良いのかどうか分からないくらいの質素な砦は、1650年代にオランダ人によって造られたものだ。郭懷一事件と呼ばれる農民反乱が起こった後に防御拠点として築城されたのだという。不思議なのは、オランダが対峙していたのは地元の農民であって、清王朝ではなかったことだ。強大な清王朝にとっては、この島なんて化外の土地であって興味を持っていなかったのかもしれない。
敷地内には大勢の観光客がいた。その中には赤ん坊を抱えた若いお父さんの姿もあった。両腕に抱えた赤ん坊の顔をじっと見詰めている。お父さんにとっては、赤ん坊の一挙手一投足が気になって仕方がないのかもしれない。歴史的建造物に向ける関心なんて、これっぽちも残っていないようだった。
2016年12月 人びと 台湾 | |
赤ちゃん お父さん 台南 |
No
9989
撮影年月
2016年9月
投稿日
2016年12月30日
更新日
2023年09月09日
撮影場所
台南 / 台湾
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA