ネパールの古都バクタプルの街を歩いていた。古いレンガ造りの建物が両脇に迫る薄暗い路地は、歩いているだけで少し息苦しい。そんな狭い通りを、前輪の上に大量のマンゴーを山積みにした自転車を押しながら、一人の行商人がやって来た。雨季の突然のどしゃ降りや強い日差しを警戒しているのか、自転車には立派なコウモリ傘がくくり付けられている。そのなんだかアンバランスな姿は少しばかり愉快である。
その行商人のもとへ、ショールを羽織った一人の女性がスッと近づいてきた。そして品定めをするように、無造作に積まれたマンゴーを物色し始めたのである。日本ではマンゴーといえば、桐の箱に入って恭しく売られている高級フルーツの代名詞だ。しかし、ここ南アジアでは道端でバナナと同じような扱いで叩き売りされている。インドやこのあたりの地域はマンゴーの原産地であり、数え切れないほどの品種がそこら中で安く出回っている。
そのそこら中で安く出回っている大衆的な果物を前にして、女性は真剣な顔つきで値踏みをしている。一つでも状態の良いものを選ぼうとする主婦の執念は、どこの国でも変わらないようだ。傘の下で店番をする男は、特に愛想を振りまくわけでもなく、ただ気怠そうに客の様子を眺めていた。
| 2010年1月 ネパール 人びと | |
| 路地 バクタプル 自転車 果物 行商人 マンゴー ショッピング 傘 |
No
3625
撮影年月
2009年6月
投稿日
2010年01月27日
更新日
2026年05月30日
撮影場所
バクタプル / ネパール
ジャンル
スナップ写真
カメラ
CANON EOS 1V
レンズ
EF85MM F1.2L II USM