お母さんにピッタリ寄り添っていた子は、髪の毛を短く刈り込んでいたけれど、格好からする判断するに女の子だった。可愛らしいワンピースを着ていたのだ。くりくりした瞳が可愛くて、カメラを向けると女の子は驚いてしまったようで、よりいっそう体をお母さんにくっつけていた。
ここバングラデシュはイスラム教徒が多数を占める国だけれど、女の子の眉間にはビンディが描かれていたから、この親子はヒンドゥー教徒のようだ。もし、そうだとするとこの女の子が丸刈りである理由もなんとなく見えてくる。
ヒンドゥー教には「サンスカーラ」と呼ばれる一生のうちでの行わなければならない16の通過儀礼がある。その中にはムンダンという断髪の儀式も含まれている。ヒンドゥー教の世界では、生まれた時に生えている毛は持ち越したカルマが含まれているので、肉体と魂を浄化するため剃る必要があると考えられていて、ムンダンという儀式で剃るのが一般的なのだ。地域によって違いがあるみたいだけれど、これは1歳から3歳位までに行われうことが多いという。おそらく、写真の女の子もムンダンの儀式を終えて、それほど日が経っていないのだろう。
2010年4月 バングラデシュ 人びと | |
女の子 お母さん ワンピース ロンプール |
No
3950
撮影年月
2009年9月
投稿日
2010年04月13日
更新日
2024年07月01日
撮影場所
ロンプール / バングラデシュ
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
CANON EOS 1V
レンズ
EF85MM F1.2L II USM