店先に掲げられた縁起熊手の下を大勢の人が練り歩いていた

大鳥神社の酉の市
大鳥神社の酉の市
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酉の市といえば、鷲神社や酉の寺、大鳥神社などの鷲や鳥にちなんだ神社仏閣の境内に派手な熊手を売るお店が軒を連ねる年末の恒例行事だ。11月に巡ってくる酉の日に行われるお祭りだから、その開催回数は年度によって異なる。酉の日とは十干十二支を当てはめる日付け法で、「酉」に当たる日のこと。年度に寅年とか丑年などの十二支があるのと同じように、日付にも十二支が割り当てられていて、12日おきに巡っているのだ。そのため年度によって11月の酉の日は2回だったり、3回だったりする。このような移動祭日は、昔からの風習が残っているのを感じられてちょっと好きだ。

酉の市が催されるのが2回だったり、3回だったりするのは理解できたけれど、それが11月中の酉の日だけなのはまた別の理由だ。酉の日は年がら年中12日ごとに巡ってきている。お祭りなのだから毎月あってもいいのだろうと僕も思うし、熊手の業界団体(そのようなものがあるのか知らないけれど)も思うに違いない。でも熊手業界の人間にとっては残念なことに酉の市が催されるのは11月だけだ。その理由はもともと酉の市が、武運長久や開運、商売繁盛の神として信仰されたヤマトタケルにちなんだお祭りだからのようだ。そのためヤマトタケルを祭神とする大鳥神社や鷲神社でヤマトタケルが亡くなったとされる11月の酉の日に開かれるのだ。

目黒にある大鳥神社もやはり主祭神はヤマトタケルで、11月の酉の日には酉の市が立つ。狭い境内に足を踏み入れると、肩を寄せ合うように並んだ露店には縁起物としての熊手が陳列されていた。今年もあっという間に年の瀬を迎えたのを実感する瞬間だ。

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ENGLISH
2023年3月 町角 東京
お祭り 提灯 目黒 熊手 神社 出店

PHOTO DATA

No

12454

撮影年月

2022年11月

投稿日

2023年03月02日

更新日

2024年01月05日

撮影場所

目黒 / 東京

ジャンル

ストリート・フォトグラフィー

カメラ

SONY ALPHA 7R II

レンズ

ZEISS BATIS 2/40 CF

日本国内で撮影した写真とエッセイ

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