注文を受けて男はパンの間にアイスクリームを挟み出した

夏バテを考えると、いくら暑くても温かい食べ物を食べた方がいいと頭で分かっていていても実行するのは難しい。冷たいものを口にしたいという誘惑に抗うのは大変だ。ここバンコクにあるクロントゥーイ市場にやってきている人の多くも同じような気持ちなのではないだろうか。市場には、冷たいものを口にしたいという誘惑に負けてしまいそうな人をターゲットに商売している人がいる。アイスクリームを売り歩いている男性がいるのだ。

帽子をかぶってチェック柄のシャツを着た男はワゴンを通路の真ん中に置いて、アイスを売っていた。ワゴンの上にはカップも見えるし、コーンも、食べるためのスプーンも揃っている。僕が目の前に立った時、男はちょうど注文を受けてアイスをすくっているところだった。

すくったアイスをコーンに載せるのかな、カップに入れるのかなと思っていると、男は僕の予想を越えてパンにはさみだした。パンに挟んだアイスクリーム。これはタイではアイティム（アイスクリーム）・カノムパン（パン）と呼ばれるものでそれほど珍しいものではない。そういえば、ベトナムではフランスパンにアイスを挟んだものを売っていた。東南アジアの人はパンとアイスという組み合わせが好きなのかもしれない。

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