男は市場の廊下で漁網を広げて仕上がりをチェックしていた

チャウタンにある市場の2階の外廊下を歩いていた。2階は1階とは違って、お店とお店が壁で仕切られていて、それぞれが部屋のようになっている。何を売っているのかと好奇心に駆られて中をのぞくと、どのお店の前にも天井から漁網がぶら下がっていた。ここには漁網を取り扱う店舗が集まっていた。

廊下に人がポツンポツンと立っていて、みな漁網の手入れをしていた。一体どれくらいの漁師たちがここに漁網を買い求めに来るのかは分からないけれど、これだけ多くの漁網が並べられているから、かなりの需要があっても対応できそうだ。

写真のロンジーをはいた男も、手で漁網を広げて仕上がり具合を見ていた。男は視線をこちらに向けていないものの、僕がすぐ近くに立ってカメラを向けているのを分かっている。手を動かしながら男はちょっと苦笑いしていた。男の広げた漁網をよく見てみると、男が広げた部分の糸はクシャクシャだ。それが問題で苦笑いを浮かべているのか、それともカメラを向けられているから苦笑いを浮かべているのかは僕には判断がつかなかった。

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