迪化街の両脇に低層の建物が建ち並んでいて、道の先には青空が見えた

豆漿で腹ごしらえをして迪化街へ行くことにした。ここは第二次世界大戦前から残る古い町並みの中に漢方や乾物やカラスミ、ドライフルーツを販売するお店が建ち並んでいる観光スポットだ。中には日本ではあまり見かけないツバメの巣を売っているお店もあったりして、歩いていると楽しい。

今では繁華街になっているこの場所も、もともとは台湾先住民族であるケタガラン族の集落だった。そこに中国人が住み始めたのは19世紀のことで、19世紀末に条約港のひとつであった淡水港の一部に組み込まれてから繁栄するようになったのだという。かつてはドイツとアメリカの領事館も置かれたというから、商業と政治の中心だったのだろう。

往時を偲ばせる古い建物が残っている迪化街をのんびり歩いていく。真っ直ぐに伸びる通りの両脇に低層の建造物が建っていて、壁には幾つも看板が掲げられていた。漢字で書かれているので、なんとなく売っているものが想像できる。「茶」と書かれていれば茶を売っているし、「薬行」と書かれていれば漢方のお店だ。道の先に青い空が広がっていた。

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